論文式試験の出題形式は変遷し、現在は○○時代

項目列挙⇒趣旨⇒長文化⇒あてはめ⇒評価、を経て、今は「取捨選択」を重視
未設定 2025.08.09
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いつもお読みくださいましてありがとうございます

今週からはじめた過去問25年分の短答演習の検証、4日目の昨日も124肢できました

言うて、

昨日:32肢
今日の午前:92肢

前日の残りを翌日朝にリカバしたんで、1日のノルマは未達成でした

そんな日々の勉強量の帳尻の合わせ方は、次回のレターで書きたいと思います

***

今日は、宿題にしていた平成24年の意匠の答案を解説します

平成24年度弁理士試験論文式筆記試験問題・意匠

平成24年度弁理士試験論文式筆記試験問題・意匠

論文式試験の出題傾向の変遷

平成14年以降の本試だと、意匠で事例問題が出題されなかったのは平成24年のこの問題(以下、「本問」という)のみです

弁理士試験の論文式試験(必須科目)って、出題形式・設問形式のトレンドがあるように僕には見えています

この出題トレンドの変遷をザックリ名づけると、

H14~ 項目列挙時代
H23~ 趣旨時代
H28~ 長文化時代
R1~ あてはめ時代
R2~ 評価時代
R5~ 取捨選択時代

といった感じです

このトレンドは、新しい傾向が出現したからそれ以前の傾向が消えるのではなく、前の時代までの出題形式・設問形式を踏襲しつつ、新しいタイプの出題・設問が現れるという理解のほうが近いです

そりゃ、年を追って増々ハードモードにもなるよな、と(大泣)

***

個々のトレンドの詳細は別の機会に話すとして、今日は最近の出題傾向にしぼって触れますね

たとえば今年の本試験でいうと、意匠・商標は、丁寧に解答していたらとてもじゃないけど答案用紙4ページには収まらない分量の出題だったと言えます

この意味では、解答項目の優先順位をしっかりつけて、直接問われていることのみ解答する姿勢が求められているように僕には見えます

関連事項を解答するスペースは解答用紙に残されていないどころか、直接問われている事項すら圧縮して解答しないと最後まで書き切れない

これって、答案用紙に向かって解答を書いてはじめて分かる実感です

パソコンで答案を書いてるだけだとリアルな感想として伝えられませんし、ましてや答案を自分で書かずに他人が書いた答案にコメントしてるだけじゃ分かってもいなんじゃないかと推察してます

***

今までは、たとえ問題量が多くなって問題文が長文化しても、解答自体は4ページに書けたんです

しかし、直近3年の傾向だと、解答もちゃんと書こうとすると4ページに収まらなくなっています

だからと言って、ちゃんと書かなくても合格できるわけじゃないのが難しさだと感じます

4ページ・80行という限られた解答スペース、さらに限られた試験時間で、設問で直接問われている内容を可能な限り濃く解答したほうが高得点になると僕は予想してます

***

そんな最近の出題傾向とは打って変わって、平成24年の意匠は、同じ科目の試験なのかと疑うほど、ガラッと出題形式が異なります

平成24年度弁理士試験論文式筆記試験問題・意匠

平成24年度弁理士試験論文式筆記試験問題・意匠

出題の背景をカンタンに説明すると、弁理士試験の試験科目・出題形式が大きく変わったのが平成14年です

その平成14年以降は、項目列挙型の事例問題の出題が増えました

その出題傾向に合わせて、論文式試験対策として直接の問いの種類に応じて解答のフォーマットを予め準備して、本試験では予め準備したフォーマットに解答を流し込むスタイルが流行しました

こうした項目列挙型の出題の反動だったのか、平成23年からは趣旨を問う設問の比率が増えはじめて、ついには本問のように、事例問題が消える年まであった次第です

***

問題文の形式面について、大問2問で50点ずつの配点なので、問I=表面2ページ・問II=裏面2ページと見積もります

内容のチェックに移りましょう

条文説明問題は問われている事項問われている順番で解答してきます

すなわち、設問表現を分節してタテに並べれば、そのまま答案構成のアウトラインができます

問I・1
1. 出願変更の趣旨
2. 商⇒意NGの理由
問I・2
1. 要件
2. 効果
 (1). OK:準10の2②・13④
 (2). NG:現実の出願日・13④
問I・3:13の2②
問II・1
14条の趣旨
特許制度
問II・2
1. 37③
2. 40た
以上

解答項目について、いくつか内容を補足します

まず問I・2の出願変更の要件効果の説明問題に関して、どの制度であれ、要件の説明を求められたら、

主体的要件
客体的要件
時期的要件
手続的要件

の4つを答えます

つまり、問I・2の答案構成は、

  問I・2
1. 要件
 (1). 主 
 (2). 客
 (3). 時
 (4). 手
2. 効果 
 (1). OK:準10の2②・13④
 (2). NG:現実の出願日・13④  

と整理されます

次に、問I・3は、あまり馴染みのない条文ですが1~14条の出願系の条文の中で13条の2を探して解答しましょう

一方で、問II・1は、平成19年の意匠の過去問について、受験勉強として過去問演習ができているかが問われています

このレターでも平成19年の意匠の過去問は解説済みですから、今回の問題を通じて、

  • 1度書いた答案の復習はできていたか

  • 1度解いた問題について、時間が経つことでどれくらい忘れている(覚えている)か

を点検しましょう

関連して、以下の過去記事も時間を見つけて再読してくださいね

最後に、問II・2は、秘密意匠に係る意匠権の行使の制限といえば37条3項40条ただし書の2つですから、この2つを解答すればOKです

この2つのトピックは短答式試験でも頻出のため、受験生の全員が高いレベルで解答するだろうと予想します

問われているのは「一般的な権利行使と相違する点」なので、

問II・2
1 37①
 37①⇒37③
2. 民709
 40本⇒40た

のように、「原則⇒例外」の順で厚めに解答しましょう

最後に、答案例を載せておきます

解答の文字数は問Iが1,115字、問IIが727字です

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