「部分意匠」はいつ出題されてもおかしくはない
いつもお読みくださいましてありがとうございます
一昨日とは一転、昨日は風がなく蒸し暑い1日でした
先月に解き方を実況中継していた令和7年の商標の本試験問題の答案について、問IIの解答をバッサリ削って、全体を2,731 字 ⇒ 2,219字にまで減らしました
意匠の答案と同様、これで4ページに収まるかをチェックに回しています
何度でも言いますが、4p-字に収まらない答案はバーチャル答案ですから、人目に触れるからには4ページに収まることを確認したいです
「インプット学習のためのロングバージョンの答案」というのも、短くできない言い訳のように思えるので個人的には言いたくないです
自分が受験生なら、4ページに収まる答案が見たいし、4ページに収まっている答案の中でも内容が濃い答案を見たいです
受験勉強においても、自分の解答を内容の濃さを保ったまま、あるいは内容をより濃くしながらいかに短く記載できるかに注力してほしいです
そのためには条文説明問題のようにベーシックな問題を解きながら解答の土台を築いていきましょう
なお、特許・実用新案については条文説明問題が独立して出題されたことはないので、基礎固めとしては短答式試験の問題をせっせと解いてください
権利化前の問題ならば平成29年の追試を含めて25年分について全肢を解説していますから、演習量としてはこれだけで十分です
ただし、国際出願の問題はPCT編に集約しています
この点についても、国際出願の問題は国内法の問題の応用問題なので、この夏はまず国内法の理解を固めていきましょう
レターで取り上げる特許・実用新案の論文式試験の問題も、まずは国内法の範囲に限定して出題していきます
さて、宿題にしていた意匠の平成25年・問1を解説します
いつもの通り形式面から見ていきます
問題文の全体は引用元を見てほしいのですが、この年の意匠の出題は特殊で、
問1:条文説明問題
問2:事例問題 (小問3つ)
問3:事例問題 (小問2つ)
という出題でした
全体として100点満点で個々の問題の配点は明示されていないため、1問あたり16.6点として解答していきます
各設問の記載量も6等分で考えて、80行÷6で1問あたり13.3行、となると問1は1ページの4分の3程度でまとめたいなと見積もります
内容としては部分意匠の制度趣旨+類否判断です
部分意匠は論文式試験ではどういうわけか出題頻度は少ないです
口述試験では平成29年・平成28年と2年連続で出題されているものの、令和に入ってからの出題はない様子なので、論文式試験・口述試験ともに、そろそろ出題されると(毎年)予想してます
この年の問題も、「言及しつつ」という指示があるので、言及せよと指示された事項は冒頭or最後に解答します
この場合に「概要」を最後に解答する構成はさすがにないですよね
答案構成は、
1. 概要
2. 趣旨
3. 類否判断
がまとまりがよいです
また、「概要」が問われた場合は定義を書けばOKです
次に制度趣旨については、部分意匠制度が導入された平成10年の改正本の内容をまとめて解答したいです
アンダラインは僕が引きました
この「独創的で特徴のある部分を取り入れつつ意匠全体で侵害を避ける巧妙な模倣も増加」というフレーズは、合格者ならばほとんどが再現できると予想されますし、口述試験でも問われるので、ここで憶えておきましょう
『逐条解説』においても同様の記載はありますが(22版 p1248)、改正本のほうが独立して説明してあるので理解しやすいと感じます
最後に部分意匠の類否判断については、審査基準における説明を要約して解答します
いきなり全体を丸暗記しようとすると骨が折れるし定着もしにくいので、まずは「物品等 ⇒ 形状等」の順で見ていくと理解しましょう
次に物品等については、「全体⇒部分」の順で用途・機能を見ていきます
最後に形状等については「全体に占める位置・大きさ・範囲」を対比するのがポイントです
要するに部分意匠制度は、物品等の形状等の「全体に占める位置・大きさ・範囲」の創作を保護するための制度なんですよね
物品等の部分に係る形状等の「全体に占める位置・大きさ・範囲」について創作した場合、その創作の対象が独立して商取引の対象にならない限りは、部分意匠として出願して意匠権を取得する以外で、その創作が模倣された場合に独占排他権を行使することはできません
一方で、たとえ物品等の部分に係る形状等が凡庸であっても、その部分の「全体に占める位置・大きさ・範囲」の創作がユニークならば需要を増大させうるので、その創作には意匠法上の保護価値があります
もちろん、 物品等の部分に係る形状等の「全体に占める位置・大きさ・範囲」は凡庸だけど、その形状等のみがユニークな場合もb部分意匠として登録されうるのですが、ともあれ部分意匠制度にとって、 物品等の部分に係る形状等の「全体に占める位置・大きさ・範囲」は重要な観点であることは理解してもらえたと思います
もし部分意匠について出題された場合は、 物品等の部分に係る形状等の「全体に占める位置・大きさ・範囲」について言及せずに合格ラインを超える答案を書くことはできないので、まずは視点だけでも忘れないようにしてください
審査基準の説明をどのように短くできるかは、以下に示す答案例を参照にしてください
問1の解答の文字数は431字で、解答全体の文字数は1,836字です
部分意匠の類否判断を解答する際には端折れる記載が限られるため、文字数が多くなることについては想定の範囲内です